ふくしま地域活動団体サポートセンター

NPO強化による地域活性化事業「NPO活動推進事業」

ⅱ NPOの基礎知識 その2:背景と制度

ⅱ NPOの基礎知識 その2:背景と制度

6.NPOが増えてきたのはなぜですか?
今日の日本では、都市化・高齢化・核家族化などの社会変化によって、家族や地域の機能が縮小したにもかかわらず、生活者ニーズ(欲求)が多様化・高度化し、社会的サービスへの需要が質量ともに拡大しています。 にもかかわらず、第一に、社会的サービスの提供には大きな制約がともなうようになっています。 行政は財政危機のもとで、公共サービスの分野の縮小と水準の低下を余儀なくされていますし、企業は採算部門への特化を進めざるをえません。 第二に、ボランティア主体の成熟が進み、活動に必要な時間と意欲さらには知識や技能をもち、ボランティアを生きがいと感じる人々が育ってきています。 こうしてNPOは、行政や企業が扱いにくい社会的サービスの提供主体として注目され、期待される存在になってきたのです。
7.NPO法がつくられたのはなぜですか?
日本において、ボランティアやNPOが注目される契機となったのは、1995年に発生した阪神・淡路大震災です。 被災者の救済と生活再建に多くの市民と団体が貢献し、この年はのちに日本における「ボランティア元年」と呼ばれるようになりました。 それまで、NPOは、制度上たんなる任意団体であることから、十分な社会的認知と信用を得ることができにくい状況におかれていました。 こうした状況を打開し、ボランティア・市民活動団体に法人格を与え、その社会的認知を高めようと、超党派の議員立法によって制定されたのが「特定非営利活動促進法」(NPO法、1998年)です。
8.NPO法の内容は?
NPO法は、「特定非営利活動を行う団体に法人格を付与すること等により、ボランティア活動をはじめとする市民が行う自由な社会貢献活動としての特定非営利活動の健全な発展を促進し、もって公益の増進に寄与することを目的とする」(第一条)ものです。特定非営利活動を「不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とするもの」(第二条)と定義し、17の活動分野を列挙しています。 ①保健・医療・福祉 ②社会教育 ③まちづくり ④学術・文化・芸術・スポーツ ⑤環境保全 ⑥災害救援 ⑦地域安全 ⑧人権・平和 ⑨国際協力 ⑩男女共同参画 ⑪子どもの健全育成 ⑫情報化 ⑬科学技術 ⑭経済 ⑮職業・雇用 ⑯消費者保護 ⑰団体の運営・活動に関する連絡・助言・援助 なお2011年の法改正によって、①観光、②農山漁村、中山間地域の振興、③都道府県または指定都市が条例で定める活動が加わりました。
9.NPO法の意義は?
NPOは法人格を得ることによって、民法上の契約主体となることができます。 法制定以前は、事務所の賃貸契約、不動産の登記、電話の契約、預金口座など、すべて代表者などの個人名義で処理しなければなりませんでしたが、これが団体としてできるようになりました。 つぎに、NPOに対する社会的認知が高まることにつながります。 NPO法人は、NPO法で定める要件を満たし、行政から「認証」され、「登記がされた」団体のことです。 これが団体の権威と信用を高め、活動しやすい条件を生み出します。 また、法人であることが、事業者としての指定要件、補助金・助成金または事業委託等において資格要件となることがあります。
10.NPO法人を設立するにはどうしたらいいでしょう?
NPO法人は設立するためには、所轄庁に申請し、認証を受けることが必要です。 設立の認証後、登記することにより法人として成立することになります。 手順としては、法律に定められた書類を添付した申請書を所轄庁に提出します。 提出された書類の一部は、公衆の縦覧に供されることになります。 所轄庁は、申請書を受理した後3ヶ月以内に認証または不認証の決定を行います。 設立の認証後、法務局で登記することにより法人として成立することになります。

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