理事長を務めている吉田さんは、被災当時は東京にいたため、地元福島の復興に携わることが難しくもどかしさを感じました。その気持ちをバネに社会福祉士の資格を取得、4年前に父親の実家があり、介護予防への取り組みを精力的に行っている田村市での活動を始めました。

　船引フォーラムでは、介護予防・日常生活支援総合事業の通所型サービスB「ふれ愛サロン」を開催しています。サロンでは毎週月曜には趣味の創作活動と映画鑑賞会※1、木曜にはヨガや太極拳※2などを行っています。コロナ禍で多くの高齢者サロン等が中止の中、地域の高齢者の認知症の発症や身体能力の低下を懸念し、映画鑑賞会であれば鑑賞中は会話することもなく感染リスクが低いと考え、社会福祉協議会に相談し早速鑑賞会を開催しました。すると、参加者からは開催してくれて良かったとの喜びの声が多くあり、やはり活動は活発に行っていくべきと確信し、通所B事業を始めたそうです。

　「活動をすることで、目の前の人の困りごとを見過ごすことがなくなったのが、とても嬉しいですね。スタッフが何でも支援をするのではなく、利用者もできることはお互いに助け合うという、スタッフや参加する皆さんの成長を直に感じられることが喜ばしいです。」と、吉田さんは言います。雨の日も寒い日も毎回楽しみに口コミで利用者が集まってくるようになりました。

　将来的には、誰もが歩いて行ける距離に地域の方が交流できる居場所があって欲しいと吉田さんは考えます。今はスタッフ5名で運営をしており、1つのサロンで200～300mほどの範囲の住民を支援するのが手いっぱいなのが現状です。しかし、支援の手を必要としている人達は、田村市だけでもまだまだ大勢います。今後このようなサロンの立ち上げを悩んでいる方、活動に興味がある方は、是非船引フォーラムへご相談してみてはいかがでしょうか。

※1 定員10名
開催時間は午前9時半～12時（趣味のサロン）午後1時15分から 4時（映画鑑賞会）
※2 定員6名
開催時間は午前9時半～12時

◆2022年8月31日発行ニュースレターより◆